「医療法等の一部を改正する法律」(平成29年)が平成29年に成立し、今まで医療法上の広告規制の対象外であったウェブサイトにおいても広告の規制を受けることになりました。

鍼灸院や接骨院、整骨院、整体院などにつきましては、医療ではなく医療類似行為にあたるものですから、この広告規制の適用を直接的に受けるものではありません。

しかし鍼灸院や接骨院などの治療院においても、当然ながら医療を連想させる表現を行うことや、誇大広告についても禁止されています。またインターネット検索大手グーグルにおいても、誤解を招く表現を行うことを明確に否定しています。

そのような時代の流れから、今回発表された医療広告ガイドライン(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)の内容については、医療機関同様に把握しておくべき内容であることは間違いありません。

このガイドラインに沿った内容にしておかないと規制を受ける可能性も高く、今後医療類似行為にまで規制が入ることは避けられないでしょう。また開設しているウェブサイトの品質が低いとみなされ、検索順位を下げることにつながってしまうことも考えられます。

ここでは鍼灸院や接骨院などの治療院を開設している人が知っておくべき、医療広告ガイドラインの内容について分かりやすく解説していきます。

医療広告規制の趣旨は

そもそも医療広告についてはウェブサイトにおいて規制されてはいませんでした。しかし近年スマートフォンの普及によって情報をインターネットにおいて得ることが一般的となり、医療に関する情報についてもウェブサイトから得る人が多くなりました。

医療に関する情報は生命や身体にかかわる重要な事柄ですから、客観的にみて正確な情報でなければなりません。

医療を受けたいという人を誘引するために、大げさな表現をしたり、ウソの内容を表示したり、誤解を与えてしまうような内容を示していると、適切な医療を受けることができないようになってしまいます。

そのようなことがないように医療法を改正し、ウェブサイトにおいても治療を受けたいという人に対して正しい情報を伝えられるようにしたものなのです。

医療広告規制において禁止されている内容とは

今回の医療法の改正については、以前から示されてきた医療機関ホームページガイドラインに沿って、ウェブサイトにおいても規制の対象としたものです。

鍼灸院や接骨院などの治療院においても、医療類似行為として当然ながら遵守しておくべき内容ですから解説していきたいと思います。

広告において認められていない内容

医療においては、保険診療で認められた「専門外来」ではないのに「専門外来」と表示することを禁止されています。また「術後生存率」や「死亡率」などを示すことも禁じられています。

鍼灸院などの治療院においては、医行為については認められていませんので、当然ながら「専門外来」を用いることはできませんが「はり科」「きゅう科」などの名称を用いることもできません。

「○○治療院」や「○○はり科治療院」などについては不適切な表現で認められておらず、「○○鍼灸院」「○○鍼灸治療院」などに改めなければなりません。

また医療と誤解するような「診断」や「検査」「患者」「診察」などのキーワードを用いることは禁止されていますので、注意しておきましょう。

ウソや偽りの内容

虚偽の内容である場合、治療しようとする人に対し、誤った情報によって適切な治療や受診の機会を失う可能性があります。また誤解を与えるような表現であっても禁じられています。

例えば「絶対安全」「必ず成功」という医学上ありえない内容や表現を用いることは禁止されています。また必ず効果があるように錯覚する術前術後の写真においても、誤解を与えるものとして虚偽広告として扱われます。

さらに「満足度調査において第一位」などと示す際には、必ずその根拠となった調査の提示を行わねばなりません。

他院と比較した内容

他の病院や診療所と比較して優秀であるという内容は、仮にその内容が本当であるとしても認められていません。

「第一位」「最高」「日本有数」「実績No.1」などの最上級表現を活用する際には、必ずその客観的な事実を掲載するのはもちろんのこと、誤解を与える表現であれば虚偽広告とみなされることがあります。

事実を誇張した表現やビフォーアフター

誇大広告と呼ばれるもので、ウソや偽りではないとしても、人に対して課題に期待感を持たせたり、いいイメージを与えたりするようなものであれば、誤解する可能性が高いことから禁じられています。

施術前と施術後の写真についてはそれが事実であるとしても、効果や有効性が強調されてしまうことになりますので、誇大広告として扱われる可能性がありますので注意が必要です。

体験談

医療においては患者の体験談をウェブサイトに掲載することを禁止されています。その患者にとっては有効な治療であったのかもしれませんが、すべての人に有効であるとはいえないからです。

ただし患者自らが自身のブログやSNSなどに体験談をアップすることまでは問われていません。しかし口コミサイトなどから、病院のウェブサイトに誘導するようなものであれば禁じられることになります。

まとめ

治療院が知るべき改正された『医療広告ガイドライン』についてそのポイントをお伝えしました。

現時点では医療が対象となっているガイドラインですから、鍼灸院や接骨院、整骨院、整体院などにつきましてはすぐに改善しなければならないものではありません。

しかし今後、厚生労働省において医療類似行為にまでおよぶガイドラインを作成する可能性は高いといえますので、改善に取り組むべきであるのは間違いありません。

Googleにおいてもアップデートを行い、情報の正確性や信頼性を高く求めるようになりました。今後対策を講じないホームページにおいては検索順位があがらずに、ウェブサイトからの集客ができないようになる可能性もあります。

今回の医療法改正については、医療にかかわる全ての人が対象となるものですから、しっかりとガイドラインを遵守するようにしていきましょう。